弁護士の探し方【2】

弁護士の選び方

依頼先は「弁護士」と「司法書士」のどちらがよいか

借金問題を解決しようと思ったとき、多くの方が最初に迷うのが、
「弁護士に頼むべきか、それとも司法書士で足りるのか」という点です。

結論から言うと、
・債務総額が大きい
・複数社から借り入れがある
・任意整理だけでなく、個人再生や自己破産も検討対象になりそう

このようなケースでは、最初から弁護士に相談したほうが、選べる手段も広く、手続きもスムーズに進みやすくなります。

以下では、司法書士に認められている業務範囲と、その限界を整理したうえで、弁護士に依頼するメリットを解説します。

司法書士に依頼できる範囲とその限界

現在の法律では、借金問題(債務整理)で債務者の代理人になれるのは、「弁護士」と「認定司法書士」に限られています。
ただし、司法書士には明確な制約があり、そのため一定の場面では弁護士でなければ対応できません。

1. そもそも「認定司法書士」でないと代理交渉できない

すべての司法書士が債務整理の代理人になれるわけではありません。
一定の研修を受講し、法務大臣の認定(簡裁訴訟代理等関係業務認定)を受けた「認定司法書士」だけが、債権者と直接交渉したり、簡易裁判所で訴訟代理人として活動したりできます。

そのため、司法書士に相談する場合は、
・債務整理に対応しているか
・認定司法書士として登録されているか

を確認する必要があります。

2. 過払い金請求には「140万円」の金額制限

過払い金返還請求については、「1社あたり140万円まで」という上限が司法書士に課されています。

・1社に対する過払い金の元金が140万円を超える見込みの場合
・あるいは、請求額が増える可能性が高い場合

こうしたケースでは、司法書士では対応が難しく、弁護士の受任が必要になります。

また、司法書士が訴訟代理人として活動できるのは簡易裁判所に限られます。
過払い金請求が地方裁判所の管轄となる金額になれば、司法書士は代理人になれず、本人訴訟の形を取るか、弁護士に引き継ぐことになります。

3. 個人再生・自己破産では「書類作成のみ」が限界

個人再生や自己破産の申し立ては、多くの場合、地方裁判所に対して行います。
この点について、司法書士ができるのは「書類作成のサポート」までで、裁判所への申立てや手続全体の「代理人」にはなれません。
・裁判所とのやり取り
・期日における説明や対応
・裁判所からの追加資料の提出や調整

これらは基本的に本人が行う必要があり、精神的・時間的な負担が大きくなりがちです。

さらに、自己破産については、弁護士が代理人に就いている場合に限り、「即日面接制度」を利用できる裁判所もあります。
この制度を利用できると、破産申立てからおおむね3〜4カ月程度で免責(借金の支払い義務を免除)に至ることもあり、手続きのスピードが大きく変わる可能性があります。

民事再生や自己破産の可能性があるなら、最初から弁護士へ

「とりあえず任意整理だけお願いできればいい」と思っていても、実際に債務額や収入・資産状況を精査してみると、
・任意整理では返済が続かない
・住宅ローンを守るには個人再生が適している
・早期にリセットしたほうが生活再建が早い

といった理由から、個人再生や自己破産を選択したほうがよい場合があります。

ところが、先述のとおり、これらの手続きでは司法書士は代理人になれません。
任意整理だけ司法書士にお願いし、その後に再生や破産が必要になったら弁護士を探し直す、という二度手間になるリスクもあります。

そのため、
借金総額が多い」「返済の目処が立たない」「取り立てのプレッシャーが強い
といった状況であれば、最初から弁護士に依頼しておくほうが、手続きの選択肢を狭めずに済み、将来的な方針転換にも柔軟に対応できます。

弁護士に依頼する場合の主なメリット

ここからは、弁護士に債務整理を任せることの具体的なメリットを整理します。
弁護士は司法書士と異なり、金額や裁判所の種類に制限なく代理人として活動できます。

1. あなたに最適な解決方法をトータルに設計してくれる

弁護士は、
・借金総額、毎月の返済額
・収入・支出・財産状況
・家族構成や今後のライフプラン

などを総合的に確認したうえで、
・任意整理
・個人再生
・自己破産

これらの中から、最も現実的で負担の少ない解決策を提案してくれます。

一度任意整理をしても返済が続かなければ意味がありません。
弁護士に相談することで、「途中で行き詰まらない解決プラン」を立てやすくなります。

2. 取り立てストップから和解成立まで、交渉を一括で任せられる

弁護士が債権者に受任通知を送付すると、その時点で督促や取り立ては原則として止まります。
そのうえで、
・利息や遅延損害金のカット交渉
・返済期間の見直し
・和解契約書の作成
・訴訟になった場合の裁判対応

といった一連のやり取りを、弁護士が代理人として一括して行います。
本人が直接金融業者とやり取りする必要がなくなるため、精神的な負担は大きく軽減されます。

3. 裁判所を利用する手続きも全面的に代理

個人再生や自己破産など、裁判所を通す債務整理は、専門知識がなければ難しい複雑な手続きです。

弁護士に依頼すれば、
・申立書・陳述書・債権者一覧表などの書類作成
・裁判所とのやり取り・期日の出廷
・裁判所からの質問への対応や追加資料の整理

といった部分を、原則としてすべて任せることができます。
特に、自己破産での免責不許可事由が問題になりそうな場合など、専門的な判断が必要な場面では、弁護士のサポートが結果を左右することも少なくありません。

4. 借入額・債権者数に事実上の上限がない

弁護士には、司法書士のような「1社あたり140万円まで」といった金額的な制限がありません。
・高額なキャッシングやカードローン
・多数の消費者金融やクレジット会社からの借入
・事業資金の借入を含む大口債務

といったケースでも、まとめて相談でき、全体を見渡したうえで解決の道筋を立ててもらえます。

まとめ:迷ったら弁護士に相談しておくと選択肢が広がる

司法書士は、比較的少額でシンプルな任意整理や過払い金請求であれば有力な選択肢になり得ます。
しかし、
・債務総額が大きい
・再生・破産の可能性がある
・訴訟や地方裁判所での手続きに発展しそう

といった場合には、司法書士では対応しきれない場面が出てきます。

一方、弁護士であれば、
・任意整理から個人再生・自己破産まで、一貫してサポート可能
・借入額や債権者数を問わず対応できる
・交渉から裁判所手続きまで全面的に代理できる

という特徴があり、途中で方針転換が必要になったときにも柔軟に対応できます。

「自分のケースがどこまで深刻なのか分からない」という段階でも構いません。
債務整理に詳しい弁護士に一度相談し、現状を整理してもらうことが、生活再建への第一歩になります。
 

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