返済が追いつかなくなってくると、「このままでは生活が回らない」「せめて月々の返済額だけでも減額できないか」と感じる方は少なくありません。
そこで選択肢の一つとして検討されるのが「任意整理」という手続きです。
1. 任意整理とは? -返済額を「支払える水準」に整える手続き-
任意整理は、裁判所を通さず、債権者(消費者金融・クレジットカード会社など)と直接交渉し、「将来の利息をカットしてもらう」「返済期間を見直す」ことで、返済額の減額を目指す任意の(話し合いによる)整理方法です。
ポイントは、「借金をゼロにする」のではなく、「無理なく払っていける返済額に調整する」という点です。
2. 任意整理で返済額が減額される主なポイント
(1)将来発生する利息・遅延損害金をカット
任意整理では、これから先に発生する予定だった利息や遅延損害金を原則として支払わない形にするよう、債権者と交渉します。
・利息が膨らみ続けて返済総額が増えていく状態を止められる
・「元本だけ」を返す契約に組み替えることで、トータルの返済額が大幅に減額される
この「将来利息のカット」が、任意整理による減額効果の中核となります。
(2)元本を分割し直し、返済期間を延ばす
将来利息がカットされたあとは、残った元本を分割払いにし直します。
多くの場合、3年(36回)〜5年(60回)程度の分割で返済計画を立て直すことが一般的です。
返済期間を延ばすことで、1回あたりの返済額を抑えやすくなり、家賃や生活費を圧迫しない水準まで月々の返済額を減額できる可能性があります。
(3)生活に合わせた「現実的な返済プラン」を組める
任意整理では、債務者の収入や家計の状況を踏まえたうえで、
「毎月いくらなら最後まで払いきれるのか」を基準に分割回数や返済額を調整していきます。
・分割回数を増やして月々の返済額をできるだけ抑える
・ボーナス払いなどを組み込んで、無理のない減額プランを検討する
こうした柔軟な設計ができる点も、任意整理の大きな特徴です。
3. 任意整理で返済額がどう変わる?-Bさんのケース-
【Bさんの状況】
・借入先:消費者金融3社
・借金総額:180万円
・金利:年18%
・任意整理前の返済:月々約5万5,000円(元本+利息)
このまま返済を続けても、利息分の負担が重く、なかなか元本が減っていかない状態でした。
そこでBさんは、弁護士に依頼して任意整理を行いました。
【任意整理後の条件】
・将来発生する利息・遅延損害金はすべてカット
・残った元本180万円のみを返済対象とする
・返済期間:3年(36回)の分割払いに変更
この結果、月々の返済額は以下のように変化しました。
・手続き前:月約5万5,000円
・3年分割で元本のみ返済した場合:月あたり約5万円 → 交渉により約3万円台まで減額
月々の返済額がここまで抑えられたことで、Bさんは家計に余裕が生まれ、
生活費を切り詰めすぎることなく、計画的に返済を続けられるようになりました。
4. 毎月の返済が苦しいと感じたら
任意整理は、借金を「なかったこと」にする手続きではありませんが、
増え続ける利息を止め、返済額を現実的なラインまで減額するための有力な選択肢です。
・返済しても返済しても元本が減らない
・複数社からの請求で家計が限界
・このままでは生活費を削るしかない
こうした状況に心当たりがあるなら、一度立ち止まって任意整理を含む債務整理の手段を検討してみる価値があります。
弁護士や司法書士に相談すれば、あなたの収入や家計に合わせて、どの程度返済額を減額できそうか、
任意整理が適しているかどうかを具体的にアドバイスしてもらえます。
「もう無理だ」と追い詰められる前に、返済の流れを立て直すきっかけとして、任意整理を選択肢の一つとして知っておくことが大切です。