個人再生の五つのメリット

民事再生の手続き
個人再生のメリット(1)マイホームを確保できる

個人再生は「住宅ローン特例」を利用することで、住宅ローンを残しつつ自宅を保つことができる高い可能性があり、自己破産では原則的に自宅を失うため、大きな違いがあります。

個人再生では、裁判所を通じて借金の元金を減少させながらも、住宅ローンは従来どおり支払い続ける「住宅ローン特例」を活用できる可能性があります。
これにより、住宅ローン以外の借金を軽減し、分割して返済しつつ、自宅に住み続けることができるのが最大のメリットです。

自己破産と比較すると、扱いは全く異なります。
自己破産では原則として財産が売却され、高額な財産がしばしば処分される対象になるため、自宅を手放すことが多い点には注意が必要です。

ただし、個人再生で自宅を保持するためには条件があります。
代表的な要件として、再生債務者が自ら居住すること、居住空間が床面積の過半を占めること、そして再生手続きの開始要件(安定した収入など)を満たすことが求められます。
また、小規模個人再生では、住宅ローンを除いた無担保債務が5,000万円以下でなければならないなどの基準もあります。

結論として、自宅を守りたい場合は個人再生が有力な選択肢ですが、要件や手続きの細部は複雑です。
早めに弁護士や司法書士などの専門家に相談し、住宅ローン特例が適用できるか確認することをお勧めします。

 

個人再生のメリット(2)元金を削減可能

個人再生は裁判所の手続きを通じて、借金の元金を法的に削減できる点が最大の特徴です。
一方、任意整理では、元金のカットを期待することは基本的に難しいという違いがあります。

個人再生では、裁判所が定めた再生計画に基づき、債務の総額を大幅に削減し、原則3年(最長5年)で分割返済する仕組みです。
裁判所の基準や清算価値の考え方によっては、債務が数分の一に減少することもあり、返済の負担を大きく軽減できます。

対照的に、任意整理は弁護士や司法書士が債権者と個々に交渉する手続きであり、主に将来の利息や遅延損害金のカットを目指しますが、債権者が自主的に元金を減らすことに応じることは稀です。
そのため、任意整理後も元金自体はほぼ変わらないことが一般的です。

具体的な削減率は事案ごとに異なりますが、個人再生では最低弁済額や清算価値保障のルールに基づいて、大幅な元金削減が法的に実現されるため、返済計画の立案が容易になります。
また、自己破産と異なり、一定の財産を保持しながら手続きを進められる点もメリットです。

 

個人再生のメリット(3)所有している財産を売却する必要がない

個人再生では原則として手持ちの財産を売却して現金化する必要はありません。
一方、自己破産では換価処分を受ける可能性が高く、扱いが大きく異なります。

個人再生は裁判所を通じた手続きであり、手続き中に保有財産が強制的に処分されることは基本的にありません。
そのため、車や家財、預貯金などはそのまま保ちながら再生計画で債務を整理できる点が大きなメリットです。
ただし、これは「実際に換価されない」という意味であり、手続き上では保有財産の評価が再生計画の基準に影響します。

重要な制約として、清算価値保障の原則があります。
これは「もし破産した場合に換価されるであろう財産の価値(清算価値)以上の弁済を行わなければならない」というルールであり、保有財産の評価額が高いと再生後の弁済額が増える可能性があることに注意が必要です。
すなわち、財産を残せても、それに応じた返済負担が増す可能性があります。

さらに、担保が付いた財産は例外です。
住宅ローンや自動車ローンのように担保や所有権留保がある場合は、債権者が担保を実行して売却するリスクがあるため、個別の対応が求められます。

 

個人再生のメリット(4)借金の背後に浪費やギャンブルがある場合でも利用可能

個人再生は借金の「理由」を問わずに選択できるため、浪費やギャンブルが要因でも手続きを選ぶことが可能です。
自己破産で問題となる「免責不許可の理由」は、個人再生では基本的に影響を与えません。

個人再生は、借金の原因を免責理由として特に設定していないため、ギャンブルや浪費によって負債が増えた場合でも再生計画が認可されれば、減額および分割返済で整理できます。
そのため、免責が得られないリスクを懸念して自己破産を回避したい方には、実効性のある選択肢となります。

ただし、個人再生が無条件に適用されるわけではありません。
申請後にギャンブルを続けてしまうと、再生計画の進行可能性がないとみなされ、不許可とされる危険性があるため、手続きに入った後は行動を見直す必要があります。
また、再生計画は裁判所による審査を受け、計画の実現性や清算価値の保証が求められます。

 

個人再生のメリット(5)資格制限は存在しない

個人再生は原則として職業や資格に対する制約を受けないため、仕事への影響を避けたい方には適しています。
一方で自己破産では、一部の資格や職業に対して一時的な制限が設けられることに注意が必要です。

自己破産を選択すると、弁護士や税理士、会計士など他者の財産を扱う業種や公共性の高い資格に関して、手続きの最中に制約が生じることが知られています。
これらの制限は法律や個別の資格規定に基づき、一時的にその資格を行使したり、登録することができなくなるため、現職の方には影響が及ぶことがあります。

対照的に、個人再生は基本的に資格制限がないため、現在の職に留まりつつ手続きを進めることができる場合が多いです。
職業制限を避けたい、あるいは資格を保持したまま負債整理を行いたい方には、個人再生が現実的な選択肢となります。

 

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