過払い金返還民事訴訟【3】

過払い金の請求方法
過払い金返還民事訴訟【3】

 口頭弁論での業者からの反論に備えよう

業者の主強への傾向と対策
訴状を裁判所に提出すると、口頭弁論が間かれます。
口頭弁論とは、原告(債務者)あるいは原告の代理人である弁護士と、被告(貸金業者)あるいは被告の代理人である弁護士が互いの主張を裁判官の目の前で行うことです。
実際の裁判で貸金業者が行う主張とその対策は次の4種類に大別できます。
移送の主張
「本店は束京なので裁判は東京でやらなければならない」という主張ですが、裁判管轄は原告の住所地で行うことができます。
消滅時効の主張
「10年以上前に発生した過払い金の請求はすでに時効に人っているので支払う必要がない」という主張ですが、時効の消滅は最終取引の翌日から10年以上経っている場合です。
みなし弁済の主張
みなし弁済とは厳格な要件を満たしている場合のみに、例外的に利息制限法のグレーゾーン金利を有効にするという規定です。
しかし、 2006年1月13日の最高裁判所が事実上この規定を否認する判決を出して、現在はこの主張は認められません。
推定計算への反論
取引履歴の開示を貸金業者がしてくれない場合、過払い金の請求は推定計算によって行います。
業者はこの推定計算の妥当性を突いてきますが、その場合は口頭弁論時に再度取引履歴の開示を求めましょう。

以上のように業者は、債務者にいろいろプレッシャーをかけて返還を阻止しようとしますが、その多くは裁判でほとんど取り上げられることはありません。

 

追 記

過払い金返還民事訴訟における口頭弁論の重要事項

事前の準備と心の準備
取引履歴や利息計算書は注意深く確認し、業者の反論点を想定しておくことが重要です。
・裁判所に提出する書類については弁護士と相談し、論点を漏れなく整理。
・当日の服装は控えめなスーツを選び、言葉遣いは穏やかに礼儀正しく。
・裁判官の指示に従い、発言は要点をシンプルにまとめること。
・和解の可能性も考慮し、主張したい論点と譲歩できる範囲を事前に決定しておくことが望ましい。

準備すべき書類・証拠
口頭弁論の日までに必ず用意しておくべきものは、取引履歴や元帳、利息計算書のオリジナルまたはコピーです。
・債権元帳や契約書の写し
・引き直し計算書(業者側の計算との対比表)
・支払済み利息を示す銀行取引明細や領収書
・裁判所提出用の証拠説明書(書証目録)

これらを漏れなく確認し、裁判所および相手に提出する準備を整えます。

 

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