過払い金返還民事訴訟【1】

過払い金の請求方法
過払い金返還民事訴訟【1】

訴訟は時間とコストがかかる

訴訟を起こすメリットはあるのか?
過払い金の返還についての交渉が決裂した場合、裁判(民事訴訟)を通じて返還を求めることになります。
裁判には弁護士費用や印紙代、切手代などがかかり、訴状の作成や貸金業者の登記簿謄本の取得にも時間を要します。
加えて、自分自身が何度も裁判所に足を運び、法廷に立つ必要があるかもしれません。
このようなコストや時間が捻出できず、急いでお金が必要な場合は、貸金業者の和解案に不満があっても受け入れるという選択肢もあります。
特に過払い金の額が少ない場合、戻ってくるお金とかかる費用がほとんど変わらず、裁判を起こすメリットが薄いこともあるのです。

弁護士費用について
それでも裁判を起こすメリットを感じ、強い意志を持っているのであれば、自信を持って取り組んでください。
弁護士費用が気になる方もいるかもしれませんが、訴訟では過払い金に加えて慰謝料や裁判所での弁護士費用を求めることも可能です。
また、各地の弁護士会や国民生活向上委員会、法テラスなどには費用の立替制度があり、多くの弁護士事務所は費用の分割払いにも対応しています。
したがって、スピーディーで有利な裁判を進めるためには、ぜひ弁護士などの専門家に依頼することをお勧めします。

 

追 記

過払い金返還に関する民事訴訟を起こすメリット

過払い金返還請求を裁判によって行うメリットは、任意の交渉や和解プロセスにはない法的な強制力や追加利子の付加、期限制限への対応など、多岐にわたります。
以下に主なメリットをまとめました。

1.判決による強制的な執行が可能
・裁判所が過払い金の返還を認めた場合、「判決」または「支払督促」が発せられ、債務者が支払わない場合は強制執行により資産を差し押さえることができます。
・任意交渉では支払いに応じないケースでも、裁判を経ることで確実に返金を実現できます。

2.正確で確定した返還額を回収できる
・訴訟では利息制限法や出資法の上限を超える利息分を「不当利得」として計算し、過払い金の全額を確定します。
・当事者間に返還額の食い違いがあったとしても、裁判所の判断により仕切り直しが行われ、正確な金額を回収できます。

3.法定の利率による追加利息で回収金額が増大
・裁判所が認めた場合、発生時から判決の日まで法定利率(民法で年5%、改正後は年5~6%)の利息が追加されて支払いを命じられます。
・任意解決では利息が適用されない場合が多いため、この追加利息により回収金額が大きくなります。

4.消滅時効の進行を停止可能
・過払い金返還請求権には発生から10年の消滅時効があります。
・訴訟の提起により時効の完成が停止し、請求の機会を確実に確保できます。

5.取引履歴が開示され、正確に計算が可能
・裁判手続きにおいて貸金業者に取引履歴の開示を命じることができ、自分で履歴を収集する手間や情報の漏れを防げます。
・任意交渉では開示が不十分で見落としが生じることがありますが、訴訟では裁判所の命令によって明確にできます。

6.弁護士への依頼で手続きの負担が大幅に軽減
・書類の作成や期日対応、相手方との交渉を弁護士に任せることができるため、専門知識がない人でも安心して手続きを進められます。
・無料相談を提供している法律事務所も多く、費用面での負担を抑えつつ訴訟を提起できる場合があります。

※裁判手続きには期日ごとの準備や書類作成が求められます。
訴訟を起こす前に弁護士と十分に協議し、最適な手続を選択してください。

 

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