過払いを生む金利の仕組み

過払い金の請求方法
過払いを生む金利の仕組み

グレーゾーン金利を理解する

2つの法律
債務整理において、金利に関する知識は不可欠です。
現在、「利息制限法」と「出資法」という2つの法律が存在し、それぞれ異なる上限金利を定めています。
しかし、利息制限法には罰則規定がないため、実質的に放置された状態です。

上限利息について以下に説明します。

利息制限法
・元金が10万円未満……年利20%
・元金が10万円以上100万円未満……年利18%
・元金が100万円以上……年利15%

出資法
・平成12年5月31日以前……年利40.004%まで
・平成12年6月1日以降……年利29.2%まで(閏年は29.28%まで)

グレーゾーン金利は無効
現在、利息制限法の上限を超える金利は無効です。
しかし、罰則がないため、この上限を超えて融資を行っても処罰はされません。
そのため、貸金業者は利息制限法の上限金利と、出資法で罰則付きの上限である29.2%の間のいわゆる「グレーゾーン」で金利を設定して融資することが一般的です。

ただし、法律で定められた金利の上限は利息制限法であり、グレーゾーン内の部分は無効とされ、支払いは過払いとなります。
過払い分の利息は必ず返還を請求でき、取り戻すことが可能です。
これは、返済が完了した後も行えますが、時効は(原則として)10年間とされています。

 

追 記

グレーゾーン金利が借り手に与える影響
金銭的負担の増大
年率20%~29.2%もの高金利で貸し付けられると、毎回の返済に占める利息の割合が非常に大きくなり、なかなか元本が減りません。
たとえば100万円を年20%で借りると、本来15%で済むべきところ、5%分の“余分”な利息を毎年支払い続けることになり、借入総額に対する返済負担が著しく増します。

返済の長期化・多重債務化
利息負担が重いため、一度滞ると完済まで何年もの長期返済が必要になりやすい上、新たな借入で返済をつなぐ“自転車操業”に陥りやすくなります。
その結果、多重債務者が急増し、いつまでも借金から抜け出せない悪循環が社会問題化しました。

破綻リスクの上昇・信用情報への影響
利息負担の増加と返済期間の長期化は、家計のキャッシュフローを圧迫し、最終的には自己破産や任意整理など債務整理に追い込まれるリスクを高めます。
90年代後半~2000年代前半には、これが原因で自己破産件数が急増したことも確認されています。

 

関連記事

過払い金の請求方法

TOP
CLOSE