自己破産が認められるためには、「支払不能状態」との認定が必要です。
■認定は総合的な判断で行われる
自己破産の申し立てには、破産原因の存在が求められますので個人の場合、裁判所に「申立人が支払不能状態にある」と認めてもらう必要があります。
支払不能状態とは、債務の支払能力が欠如しており、支払期日が到来した借金を一般的かつ継続的に弁済できない状態を指します。
申立人の状況は、財産や信用、労力、技能、年齢、性別、職業、給料、健康状態、家族の援助など様々な要素を考慮し、個別のケースによって総合的に判断されます。
借金の額だけではなく、支払不能が一時的ではなく継続的であること、客観的に見て支払不能であるかなども重要です。
必ず弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。
一般的には、収入から最低生活費を引いた後の金額で、借金を3年以内に返済できるかどうかが指標となります。
それに加え、以下のようなケースでは自己破産が認められやすいです。
① 月収が20万円程度のサラリーマンが、貸金業者から350〜400万円の借入をしている場合。
現在の業者の平均金利で計算すると、利子だけで毎月8〜10万円の返済が必要になるため、特別な収入がない限り支払不能と判断されます。
② 生活保護を受給しており、生活費の補助として100万円を借りたが返済の見込みがない場合。
借入が少額でも支払不能と判断されます。
③ 自営業者が1億円の負債を抱えて返済の目処が立たない場合。
このような高額な負債を抱えている者は支払不能と認定されますが、店舗や備品などの資産は管財人によって処分されます。
自己破産は、裁判所の判断により、所有する資産を清算して債務の大部分を免除する法的手続きです。
【メリット】
返済が事実上不可能な状況にある場合、法的な免責決定により残りの借金が免除され、再出発が可能になります。
債権者による差し押さえなどの強制執行が止まるという保護効果もあります。
【デメリット】
資産の処分(清算)が必要となる場合があり、生活に大きな影響を及ぼす恐れがあります。
破産情報は信用情報に長期間残り、将来的な借入やクレジットカード利用に著しい影響を与えます。
尚、自己破産で免除される借金はすべてではなく、たとえば税金や一部の法定債務、慰謝料、養育費などは免除されない場合もあるため、手続き前に法律の専門家(弁護士)と十分な相談を行うことが推奨されます。