無理のない返済計画を心がけることが重要です。
■返済期間の目安は3年
任意整理は、業者への取引履歴開示請求から始まり、利息制限法に基づいた計算で法的な債務額を確定させます。
債務額が確定した後は、実際に返済可能な形で毎月の返済額と返済期限を設定し、業者との和解交渉を行います。
毎月の返済額は、「手取収入から家賃や食費、少しの娯楽費を差し引いた後の3分の1」が基準となり、返済期間としては通常3年(36カ月)が目安となります。
ただし、必ずしも36カ月にする必要はありませんが、それ以上の長期にわたる借金返済は、債務者の生活の変化(病気、リストラ、子供の進学、出産など)によって滞る可能性が高くなるため、民事再生や自己破産を選択する方が賢明といえます。
和解交渉の基準としては、東京三弁護士会の統一基準が使われます。
この基準では、交渉開始までの未払利息や遅延損害金、今後金利を付けないことが定められており、大手の貸金業者であれば交涉に応じてくれるはずです。
■ブラックリストについて
和解交渉が成立すると、合意内容を「和解書」または「示談書」として書面化し、和解契約に基づく返済を開始します。
交渉が不成立の場合は、民事再生や自己破産などの別の手続きを視野に入れます。
なお、任意整理を行うと、金融機関が共有する「ブラックリスト」に掲載され、5〜7年間は新たな融資を受けられなくなったり、クレジットカードを持つことができなくなるなどの不利益を被ります。
このことは、任意整理に限らず、民事再生や自己破産を選んでも同様です。
ブラックリストとは、主に金融機関や信用情報機関が、過去の債務不履行や延滞、その他返済に問題があったと判断された人の情報を記録・管理する仕組みのことを指します。
たとえば、ローンやクレジットカードの返済において、約束の支払いがなされなかった場合、その情報が各種信用情報機関(CIC、JICC、KSCなど)に登録され、結果的に将来の借入審査などで不利に働くことがあります。
なお、ブラックリストは一般に公表される「リスト」ではなく、金融機関内部や信用情報機関が管理する個人の信用情報の一部として機能しています。
具体的な登録条件や記録が保持される期間は金融機関や信用情報機関ごとに異なりますが、一般には延滞情報などは約5年間(場合によってはそれ以上)保持され、期間内は新たな借入れを行う際に審査が厳しくなることが多いです。
自分自身がどのような信用情報で評価されているかは、各信用情報機関の開示制度を活用して定期的に確認することが推奨されます。
これにより、ブラックリストに該当するかどうか、もし該当している場合はその記録がいつまで保持されるのか、また誤りがあればどのように訂正手続きを進めればよいのかを把握でき、今後の金融取引への影響を効果的に管理する助けとなります。