【払い過ぎた金額を取り戻せる可能性がある】
債務整理にはさまざまな方法がありますが、まず初めに確認すべきは「自分がいくら借金を抱えているか」ということです。「〇〇万円くらい」ではなく、1円単位で正確に理解することが重要です。
各業者の借入明細書と過去の返済履歴を照らし合わせ、法定金利を用いて正しい借金の金額を再計算します(引き直し計算)。過去の借金を振り返ることは辛いかもしれませんが、この作業が出発点となるため、面倒がらずに行いましょう。
これを実施することで、借金を完済していて債務整理が不要になる場合や、払う必要のない金利を支払っていたことが判明することもあります(過払い金)。場合によっては、業者に対して返金を請求できることもあります。
次に、自分の借入状況を整理するために必要な資料を用意しましょう。
以下の資料を準備しますが、すでに紛失または破棄しているものがあるかもしれませんが、できる限り揃えます。
①貸金業者からの借用書または契約書の写し
②貸金業者からの督促状やハガキ
③残高証明書
④通帳の写し
⑤クレジットカード
これらの書類が手元にない場合でも、取引履歴を貸金業者に請求することが可能ですので心配しないでください。
【消滅時効や時効の中断に関する解釈の見直し】
従来、過払い金請求の消滅時効は最後の返済日から10年とされていましたが、近年の判例や一部法改正により、債務者が返済の一部を認めるなどの行為で時効が中断された場合や、新たな解釈がなされるケースが明確化されています。
具体的には、時効の起算点や中断事由の判断がより厳密かつ透明な基準に沿って行われるようになり、消滅時効の適用において一定の柔軟性が認められるようになっています。