過払い金請求を弁護士に依頼する際の流れ(2)

過払い金の請求方法
過払い金請求を弁護士に依頼する際の流れ(2)取引履歴の開示請求

過払い金請求を進めるうえで、最初に必ず通るのが「取引履歴の開示請求」です。
どれくらいの期間、いくら借金をして、どのように返済してきたのか―その全体像を正確に把握しない限り、過払い金が発生しているかどうかは判断できません。

1. なぜ「取引履歴の開示請求」が重要なのか
過払い金請求は、「利息を払いすぎていたかどうか」を法律(利息制限法など)に照らしてチェックする手続きです。
その土台となるのが、消費者金融やクレジットカード会社との取引履歴です。
・いつから借金を始めたのか
・いくら借りて、いくら返したのか
・どの金利で取引していたのか

こうした情報が一覧になったものが取引履歴で、ここに抜けや誤りがあると、過払い金の再計算自体が正しくできません。
そのため、取引履歴の開示請求は「過払い金請求の出発点」といえます。

2. 弁護士に依頼した場合の具体的な流れ
(1) 債権者への開示請求の送付
まず、弁護士があなたの代理人として、債権者(消費者金融・カード会社など)に対し、書面で正式に取引履歴の開示請求を行います。
この段階で、どの会社にどれくらい借金がある(または過去にあった)のかをヒアリングし、対象となる会社を特定します。
(2) 取引履歴の開示
開示請求を受けた債権者は、法律上、取引履歴を開示する義務があります。
実務上は、おおむね1〜2か月程度で、弁護士宛てに取引履歴が送付されるケースが多いです。
・郵送で紙ベースの履歴が届く
・データでまとめて送られてくる

など、形式は会社によって様々ですが、内容としては過去の借入・返済の一覧が示されます。
(3) 弁護士による利息の再計算
取引履歴がそろったら、弁護士が利息制限法に基づいて、適正な上限金利で再計算します。
ここで初めて、
・過払い金が発生しているか
・発生している場合、その金額がおおよそいくらか

といった具体的な見通しが立ちます。
この再計算の結果を踏まえ、今後の方針(任意交渉での返還請求か、裁判に進むかなど)を検討していくことになります。

3. 取引履歴の開示でよくある注意点
(1) 開示までに時間がかかることがある
債権者によっては、取引履歴の保管体制が十分でない場合や、過去のデータを倉庫等から探し出す必要があるケースもあります。
特に、
・借金を完済してから長い年月が経っている
・取引開始時期がかなり昔である

といった場合、1〜2か月以上かかることもありえます。
「遅い=開示してくれない」というわけではなく、単純に社内での確認や取り寄せに手間取っているケースも多いため、ある程度の期間は待つ必要があります。
(2) 取引履歴が一部しか出てこないケース
まれに、債権者から送られてきた取引履歴に、明らかに抜けがあったり、「途中からしか記録がない」といった不自然な形で開示されることがあります。
その場合、弁護士が
・追加の開示請求を行う
・必要に応じて、法的義務を踏まえて強く交渉する

といった対応を取り、できる限り全期間の履歴を出させるように動きます。
取引履歴が一部欠けていると、過払い金が本来より少なく見積もられてしまうおそれがあるため、この点は慎重な対応が必要です。
(3) 本人確認書類が求められることがある
債権者によっては、プライバシー保護の観点から、
・本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード、保険証など)の提出
・委任状の確認

を求めてくることがあります。
通常は弁護士が窓口となって手続きを進めますが、身分証のコピーの準備など、一部であなたの協力が必要になることもあります。

4. 焦らず「土台づくり」と考えることが大切
取引履歴の開示請求は、過払い金請求のゴールから見ると「準備段階」にあたるため、どうしても時間だけがかかっているように感じられがちです。
しかし、ここで正確な取引履歴をそろえておくことが、その後の交渉や裁判で適正な金額を取り戻すためのカギになります。
・履歴の開示を待つ
・不足分があれば追加で開示させる
・すべてそろったところで利息の再計算に進む

この順番をしっかり踏むことで、借金の状況も整理され、自分自身の取引の歴史を客観的に振り返ることができます。

取引履歴が出そろい、弁護士による再計算が完了すれば、過払い金がどの程度見込めるのかが明確になり、「返還への具体的なステップ」が一気に見えてきます。
過払い金請求を成功させるためにも、この最初のステップを軽視せず、落ち着いて進めていくことが大切です。

 

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