過払い金返還民事訴訟【2】

過払い金の請求方法
過払い金返還民事訴訟【2】

訴状を作成し提出する際の注意点

「請求の趣旨」と「請求の原因」が重要
裁判を起こすには、まず訴状を作成し裁判所に提出する必要があります。
訴状は裁判所宛の正本と被告の人数分の副本を用意しなければなりません。
訴状に必ず含めるべき項目は、①「請求の趣旨」と②「請求の原因」です。
①「請求の趣旨」は、被告である貸金業者に請求したい内容のことで、具体的には、過払い金の元本と、元本に5%の金利を加えた金額、及び裁判費用です。
②「請求の原因」は、①の根拠となる事実を指します。
具体的には、原告と被告との取引中に過払い金が発生しているということです。

金額に応じて提出先が異なる
これらの内容を記載する際には、返還の主張を裏付ける証拠が必要です。
業者からの取引履歴や法定金利計算書、過払い金返還請求書に加え、業者とのやりとりを記録した手紙、ファックス、電子メールも証拠として利用できます。
可能な限り多くの証拠を集めることが重要です。
取引履歴の開示に応じない場合、貸金業者は過払い金の存在を認めていると見なされ、訴訟を続行することができます。
貸金業者が過払い金の存在の否定をする場合、自らその証拠として全取引履歴を開示しなくてはなりません。
作成した訴状は、請求金額が140万円以下であれば簡易裁判所に、140万円を超える場合は地方裁判所に提出します。
管轄地は自宅近くの裁判所を選ぶのが適切です。

 

追 記

過払い金返還に関する民事訴訟の訴状について

1. 訴状の構成
請求の趣旨
・被告に対する請求額、利息(年○%)、仮執行宣言の申し立てなどを詳述。
請求の原因
・当事者間の契約関係、取引記録、利息制限法に基づく過払い金の発生・計算根拠を、番号付きの段落で整理。

2.必要書類・添付資料
・取引記録(債権者からの取引記録開示書)
・利息計算書(利息制限法・出資法に基づく過払い金計算書)
・商業登記簿謄本または代表者事項証明書(貸金業者の登記情報)
・内容証明郵便による請求書のコピー(訴訟前に債権者へ送付が必須)
・訴状正本・副本・予納郵券用各1通(A4、原本は裁判所へ提出、副本は被告用)

3.訴訟費用(収入印紙・郵券)
・訴状に貼付する収入印紙の金額は、請求額に応じて決定される。
・郵券は予納郵券(各書面の送達分)を一緒に貼付し、必要な枚数を裁判所で確認してください。

4.記載時の注意点
・見出し(請求の趣旨・請求の原因)は明記し、番号を付けて箇条ごとに記載します。
・金額や日付は取引記録・計算書と完全に一致させ、誤字や脱字の防止に努める。
・証拠書類との整合性を重視し、甲号証・乙号証のラベルを貼っておく。
・甲号証:取引記録、乙号証:利息計算書、丙号証:商業登記簿など、必要に応じて分ける。

5.事前対応・その他
・訴訟提起前に内容証明郵便で過払い金請求を行い、交渉の有無を記録しておくことが不可欠。
・裁判所のWebサイトの訴状雛形を基にすると、フォーマットを保ちながら簡単に作成可能。

 

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