自己破産を弁護士に依頼する際の流れ(5)

自己破産の手続き
自己破産を弁護士に依頼する際の流れ(5)免責決定~官報公告

免責決定から「本当に借金がゼロになる」までの流れ

自己破産の手続きでは、「免責決定」が出た瞬間にすべてが終わるわけではありません。
ここから先に進むための、いくつかのステップがあります。

1. 裁判所で免責決定が出る
自己破産の申立て後、裁判所での審尋(面談や書面審査など)を経て、おおむね1〜2か月程度で「免責決定」が出されます。
この免責決定は、「原則として、あなたの借金を支払わなくてよい」と裁判所が判断した段階のことです。
ただし、この時点ではまだ“仮”の状態で、決定が揺らぐ可能性も残っています。

2. 官報への公告(免責決定が公表される)
免責決定の日から約1週間〜10日ほど経つと、その内容が「官報」に掲載されます。
これを「官報公告」といいます。
官報は、国が発行している公式な広報紙で、自己破産や免責決定など、法的な手続きの情報が一覧で載っています。
「名前が載るなんて、知り合いにバレないか不安…」と感じる方も多いですが、官報を日常的にチェックしている一般人はほとんどいません。
実務上は、主に金融機関や専門家(弁護士、司法書士など)が確認に使うものです。

3. 官報公告後の「異議申立て期間」(即時抗告)
官報公告の日から2週間は、「利害関係人」が異議を申し立てできる期間になります。
利害関係人とは、主に借金の債権者や、手続きによって影響を受ける可能性のある人たちを指します。
この2週間のあいだ、債権者などは「この免責には問題があるのではないか」と考えた場合、裁判所に対して「即時抗告」という形で不服を申し立てることができます。
例えば、次のようなケースが考えられます。
・破産者が財産を隠していた疑いがある
・特定の債権者にだけ有利な返済をしていた
・ギャンブルや浪費が極端で、免責を認めるのが妥当でない

このような事情があると、免責をそのまま認めてよいかどうかが再度検討されることがあります。

4. 即時抗告がなければ、免責決定が「確定」する
官報公告の日から2週間、誰からも即時抗告が出されなければ、その時点で免責決定は「確定」します。
この「確定」というのが、法的に非常に重要なポイントです。
免責が確定して初めて、自己破産の手続きが最終的に完了し、原則として対象となる借金の支払い義務が正式に免除されます。
つまり、流れとしては次のようになります。
1. 裁判所が免責決定を出す
2. 約1週間〜10日後に官報公告がされる
3. 官報公告から2週間は即時抗告が可能な期間
4. 即時抗告がなければ、2週間経過で免責決定が確定
5. 確定後、借金の支払い義務が法律上なくなる

5. 「免責決定=その瞬間に借金ゼロ」ではない点に注意
よくある誤解として、
「裁判所から免責決定が届いたら、その日からすべての借金が消える」とイメージしてしまうケースがあります。
実際には、
・免責決定が出る
・官報公告される
・2週間の即時抗告期間が過ぎて“確定”する

という一連の流れを経て、はじめて「借金が法的に免除された」といえる状態になります。

自己破産の手続きでは、弁護士がついている場合、こうしたスケジュールやリスクの有無についても逐一説明してくれます。
不安な点や、今どの段階にいるのか分からなくなった場合は、遠慮なく担当の弁護士に確認すると安心です。

自己破産は、借金問題から生活を立て直すための制度です。
「免責決定が出たら終わり」ではなく、「官報公告→2週間の経過→免責確定」というプロセスを理解しておくことで、
今どこまで進んでいるのか、あとどれくらいで本当に借金から解放されるのかを、落ち着いて把握できるようになります。

 

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