自己破産を弁護士に依頼する際の流れ(3)

自己破産の手続き
自己破産を弁護士に依頼する際の流れ(3)申し立て準備~破産審尋

自己破産の手続きは「準備 → 裁判所への申し立て → 破産審尋」という流れで進んでいきます。
ここでは、弁護士に依頼した場合の一般的な進み方を分かりやすく解説します。

1.自己破産を決めてから申し立て準備まで
弁護士への相談・依頼
まずは、借金の返済が難しいと感じた段階で、弁護士に相談します。
相談では、次のような点を詳しく確認されることが多いです。
・借金の総額・借入先・借入の時期や理由
・現在の収入と支出(家計の状況)
・預貯金・車・保険・不動産などの資産の有無
・家族構成や生活状況
この段階で「本当に自己破産が適切か」「個人再生や任意整理など、他の債務整理の方法は検討できないか」もあわせて判断します。
必要書類の収集
自己破産の申し立てには、多くの資料が必要です。代表的なものは次のとおりです。
・通帳のコピー(一定期間の出入金がわかるもの)
・給与明細や源泉徴収票
・借金の残高や取引履歴が分かる書類(カード会社・消費者金融など)
・住民票、戸籍謄本
・家賃の契約書、保険証券、車検証 など
弁護士から「何年分が必要か」「どこまで用意すべきか」具体的な指示があるので、それに沿って集めていきます。
書類の作成と確認
集めた資料をもとに、弁護士が次のような書類を作成します。
・破産申立書
・債権者一覧表(すべての借入先を記載)
・陳述書(借金を負った経緯や現在の生活状況などをまとめた説明文)
・財産目録 など
完成した書類の内容を弁護士と一緒に確認し、問題がなければ署名・押印を行います。
ここでの注意点
・通帳の記帳漏れや「このくらいならいいだろう」と判断して借入先を省略すると、後で発覚した際に信用性が疑われます。
・家族名義の口座や、ネット銀行なども含め、把握している情報はすべて弁護士に伝えることが重要です。
・書類に誤りがあると、裁判所から追加の説明や修正を求められ、手続きが長引く原因になります。

2.裁判所への自己破産の申し立て
管轄裁判所へ提出
書類が整ったら、弁護士があなたの住所地を管轄する地方裁判所に、自己破産の申し立てを行います。
通常、依頼者本人が裁判所に出向く必要はなく、弁護士が代理人として提出します。
裁判所が書類を受け取り、内容の確認を始めると、次のような段階に進みます。
・書類の形式的なチェック(押印漏れ、不備の有無など)
・必要に応じて、追加資料や説明を求める連絡
・破産審尋や今後の手続きの日程調整
裁判所からの連絡への対応
申し立て後は、裁判所から弁護士宛て・本人宛てに、さまざまな書類や通知が届きます。
ここでの注意点
・基本的なやり取りは弁護士が行いますが、自宅に届く書類もきちんと目を通してください。
・内容が分からない場合は、自分で判断せず、すぐに弁護士へ連絡しましょう。
・住所変更や勤務先変更など、生活状況に変化があった場合も、速やかに弁護士に伝えることが大切です。

3.破産審尋(裁判官との面談)
破産審尋(はさんしんじん)とは、裁判所で裁判官と本人が直接面談し、借金の原因や現在の状況を確認する手続きです。
多くの場合、10〜15分程度で終わる簡潔な面談で、弁護士も同席します。
聞かれやすい内容
破産審尋では、例えば次のような質問がされます。
・どのような経緯で借金が膨らんだのか
(例:生活費、ギャンブル、浪費、事業資金など)
・今の生活費や収入、家族の状況
・持っている財産や保険、車、不動産の有無
・今後、同じように借金を繰り返さないための考え方・見通し
弁護士と事前に質疑応答の「リハーサル」を行っておくと、当日も落ち着いて対応しやすくなります。
破産審尋での注意点
・事実と異なることを話したり、都合の悪い事実を隠したりすると、後から判明した際に「信用できない」と判断され、免責不許可(借金がゼロにならない)となる可能性があります。
・財産を故意に隠す行為(預貯金の移動、名義の付け替えなど)は、免責の可否に直結する重大な問題です。
・緊張するのは当然ですが、「ありのままを正直に話す」ことが、最も大切なポイントです。

まとめ:弁護士と二人三脚で、焦らず進めることが大切
自己破産の手続きは、
1. 弁護士と相談し、申し立ての準備を行う
2. 裁判所に自己破産を申し立てる
3. 破産審尋で裁判官の質問に答える

という3つの大きなステップで進んでいきます。
弁護士に依頼することで、
・複雑な書類作成や裁判所とのやりとりを任せられる
・借金の経緯や生活状況の整理をサポートしてもらえる
・精神的な負担を軽くしながら、ミスの少ない申し立てができる
といったメリットがあります。

借金の悩みは一人で抱え込むと、どうしても不安が大きくなりがちです。
自己破産を選ぶにしても、別の解決策を探すにしても、専門家である弁護士と相談しながら、一歩ずつ丁寧に進めていくことが、再スタートへの近道になります。

 

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