個人再生を弁護士に依頼する際の「面談・ヒアリング」とは
個人再生の手続きを進めるうえで、弁護士との最初の面談・ヒアリングは「この人は本当に個人再生ができるのか」を一緒に見極める、とても重要な場面です。
ここでのやり取りをもとに、今後の方針や返済プランが組み立てられていきます。
1.面談・ヒアリングまでの準備と流れ
① 事前予約をする
まずは、弁護士事務所に電話やウェブフォームから面談の予約をします。
個人再生や借金問題については「初回相談無料」などを用意している事務所もあるので、費用面が不安な場合は、予約の段階で確認しておくと安心です。
② 必要書類をそろえる
面談当日までに、次のような資料をできる範囲で準備します。
・借金の明細や督促状、カード会社や消費者金融の一覧
・給与明細・源泉徴収票・年金証書などの収入を証明する書類
・家計簿やメモ、スマホアプリの記録など家計の状況がわかるもの
・通帳のコピー(直近数か月分があると望ましい)
・不動産、車、保険、預貯金、投資商品などの資産に関する書類
完璧でなくても構いませんが、「今わかる範囲」を持参しておくと、面談・ヒアリングがスムーズに進みます。
③ 借金の内容を詳しくヒアリング
面談が始まると、弁護士から現在の借金の状況について質問されます。たとえば、
・どこから、いくら借りているか
・返済は現在も続けているか、いつから滞納しているか
・保証人がついている借金はあるか
・ギャンブルや浪費、投資がきっかけの借金かどうか
といった点を、時系列も含めて整理して話していきます。
この段階でのヒアリング内容は、個人再生が可能かどうかの判断材料になります。
④ 収入・支出のバランスを確認
次に、毎月の家計状況についてチェックします。
・給料・ボーナス・副業・年金などの収入額
・家賃や住宅ローン、水道光熱費、食費、通信費、保険料などの支出
・扶養家族の有無や扶養にかかる費用
個人再生を利用するには、最低限「安定した収入」と「現実的に払える返済額」が必要です。
弁護士は、家計の数字から「無理のない返済額」を見極めていきます。
⑤ 資産の有無をチェック
個人再生では、保有している資産も重要な要素となります。具体的には、
・持ち家や土地などの不動産
・車やバイク
・生命保険の解約返戻金
・預貯金、株式、投資信託、仮想通貨など
こうした資産をどの程度持っているかを、正確に弁護士へ伝えます。
特に「自宅や車を手元に残したい」といった希望がある場合、その価値やローン残高が個人再生の可否や手続きの方法に直結します。
⑥ 今後の希望や不安を共有する
面談では、単に数字を確認するだけでなく、今後どうしたいかという希望を話し合うことも大切です。
・自宅を手放さずに借金を整理したい
・会社や家族に知られずに手続きしたい
・毎月どの程度までなら返済していけそうか
・破産ではなく個人再生を選びたい理由
弁護士は、こうした希望を踏まえながら、「個人再生が適しているか」「ほかの債務整理の方法のほうが合っているか」など、総合的に判断します。
⑦ 手続きの全体像・費用・リスクの説明
最後に、弁護士から個人再生の具体的な流れについて説明があります。
・裁判所に申し立てるまでのステップ
・手続き期間のおおよその目安(通常は数か月~半年程度)
・弁護士費用・実費の支払い方法(分割払いが可能か など)
・個人再生を選んだ場合のメリット・デメリット
・手続き中の注意点(新たな借金の禁止、クレジットカード利用制限など)
これらを踏まえて、「実際に個人再生を申し込むか」「別の方法にするか」を話し合い、今後の方針を決めていきます。
2.面談・ヒアリングで特に重要なポイント
① 隠し事をしない→「正直さ」が何よりも大切
個人再生は裁判所を通じた法的な手続きです。
そのため、借金や資産について事実と異なる申告をしたり、一部を隠したりすると、
・裁判所から再生計画が認められない
・手続きが途中で打ち切られてしまう
といった重大なリスクがあります。
また、弁護士も、与えられた情報をもとに最適なプランを組み立てているため、情報が不完全だと、あなたにとって不利な結果につながりかねません。
借金の理由がギャンブルや浪費であっても、恥ずかしさから事実を隠してしまう必要はありません。
弁護士は同じような相談を多数経験しており、責める立場ではなく、解決のために動く立場です。
② 家計の状況は「見栄を張らず」現実ベースで
面談では、毎月の生活費についても詳しく聞かれます。
ここで、「少しでも返済額を低く見せたい」「倹約家だと思われたい」という気持ちから、生活費を実際より低く申告してしまうケースがあります。
しかし、生活費を不自然に低く設定した再生計画は、いざ始まってみると継続が難しくなりがちです。支出を抑えきれず、結局返済が滞ってしまえば、個人再生自体が失敗してしまう恐れも出てきます。
・家賃や光熱費、通信費、食費などは、できるだけ実態どおりに
・趣味や交際費、子どもの教育費なども「本当に必要な支出」として正直に
ありのままの数字を伝えることで、長く続けられる返済計画を一緒に作ることができます。
③ 分からないこと・不安なことは遠慮なく質問する
個人再生の制度は専門用語も多く、初めての人にとっては理解しづらい部分が多くあります。
・「この借金も個人再生の対象になるのか」
・「家族への影響はあるのか」
・「勤務先に知られる可能性はあるのか」
・「将来、クレジットカードやローンはどうなるのか」
こうした疑問は、面談・ヒアリングの場で率直に聞いて問題ありません。
むしろ、きちんと納得したうえで手続きに進むことが、後悔しないためには欠かせません。
3.面談は「再出発の入り口」
弁護士との面談は、単に書類を確認する場ではなく、今後の人生設計を一緒に考えるためのスタート地点です。
・借金を整理して生活を立て直したい
・家族や仕事を守りながら、現実的な方法で返済したい
こうした思いを共有しながら、弁護士と信頼関係を築いていくことが、個人再生を成功させるカギになります。
不安や後ろめたさを抱えている状態でも構いません。
面談・ヒアリングの場で、安心して、正直に、丁寧に自分の状況を話していくことが、借金問題から抜け出し、新しい生活を始めるための第一歩となります。